不登校・ひきこもり|解決過程で出る親御さんの怒り
大宮で不登校・ひきこもりの心理カウンセリングをしております、
田村メンタルヘルスケア代表の田村です。
あるお母さんがお子さんが食べたお皿をまとめて流しに戻してくれるようになったのだけれど「ありがとう」と言っていないとのこと。
「どのような気持ちがありますか?」と尋ねたところ”何でお皿持ってこないの!!”という怒りがあるとのこと。
以前から「食べたお皿はその後、降りてくるときに持ってきて」と伝えてあるし、持ってくるのが当然とおっしゃってました。
親御さんからするば、そのくらいするのは”筋を通す”という視点から当然だというわけです。
確かにその通りだと思います。
しかし、彼は今普通の状態ではないのです。
彼はほとんど部屋にこもって出てこないのですから普通の精神状態ではないわけです。
よってそんな彼は”育て直し”をする必要があるのです。
“他者から自分が大切(愛されたい、信じてほしい、認められたい等)にされたい”という心の欲求のベース部分を満たしてあげる必要があります。
この他者というのは多くの場合、育ての親です。
勿論、親御さんには愛情があるのですが愛情があっても本人がもっともっとと愛情を求める気質の場合はなかなか満足しません。また心配性の場合も愛されているか不安になるわけです。
その場合は親御さんの愛情とお子さんの求める愛情との間にズレが生じます。
よってそこの部分の修正をするならカウンセリングマインドを持った接し方が必要になるわけです。
よってこの場合はしっかりと「ありがとう」を伝える必要があります。
このお母さんはご自分の性格を”白か黒か” “こだわりの強いところがある”ということを理解されており、そのために”怒り”がでてしまうというとのことでしたが”育て直し”をするということなら怒りもでなくなるということで納得されました。
どうしても不登校・ひきこもりのお子さんを抱える親御さんからしたら、いろいろな場面で”怒り”が出てくることが多い傾向にあります。
例えば元気になってきて外にも出て人に会えるし、会話も普通にできる場合
“なんで社会にでないの!!” “何で学校行かないの!!”といった親御さんの”常識”や”期待”が
”怒り”という形になるわけです。
例え口に出して言わなくてもその思いは本人に伝わってしまいます。
よって不登校・ひきこもりの本人は無自覚で”まだわかってくれていない”と感じ復学や社会復帰が遅くなってしまいます。
また違う例でよくあるのがお母さん自身が自分の親からそんなにしてもらっていないのに
“なんで子供を甘えさせなければいけないの!!”という怒り(妬み)が心の底にありそれによってしたくてもできない場合です。こういった例は少なくありません。
これらは親御さんのちょっとした心の傷からきています。
多くの親御さんがカウンセリングによって癒すことにより、お子さんの話をしっかりと聴けるようになっています。
いずれにしてもこういった”怒り”は不登校・ひきこもりの解決を遅らせます。
仕方がない部分もありますがその怒りを失くすまではいかなくても減らしていったほうが好ましいのです。
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