お子さんへの逆効果のコミュニケーションについて
大宮で不登校・ひきこもりの心理カウンセリングをしています、田村メンタルヘルスケア代表の田村です。
“早く寝なさい”
“もう宿題はやったの?”
“明日の準備はできたの?”
等は、多くの親御さんがよくお子さんに言っているセリフです。
これらのことばは、親御さんがお子さんを心配してのことですよね。
しかしながら、これらのことばの主語は、you すなわちお子さんになってしまっています。
例えば上記の文章に置き換えると
“(あなたは)早く寝なさい”
“(あなたは)もう宿題はやったの?”
“(あなたは)明日の準備はできたの?”
となります。
これらの言い方は、お子さんにとっては、非難や怒られているように聞こえてしまいます。
そうなってしまうとお子さんは、“またかーうるさいな!” “わかっているよ!” と心の中で思っています。
それによってお子さんによっては、口答えをして言うことをきかないケースが少なくありません。
黙って言うことをきくお子さんもいますが、その場合でも親御さんから言われて仕方なく行動するため、自立心は養われません。
そして、そのようなお子さんは、いつも親御さんから言われてから動くため“うるさいなー!”と思いながらも指示待ち人間になってしまうのです。
親御さんは多くの場合、黙っているとやることをやらないからと言いますが、残念ながらそのように言えば言うほど逆効果になってしまいます。
要するにますます動かなくなり、かつ自立心より依存心が増してしまい、結果としてお子さんの将来のためにならないということです。
やはり、親御さんのお子さんへの希望は、自立心を持って言わなくても動いてほしいということではないでしょうか?
そうであるなら、お子さんが多少、学校に忘れ物をしたり、宿題を忘れて皆の前で恥をかいたり、先生に怒られたりしても失敗から学ぶということを容認するということも必要です。
親御さんの中には、自分がしっかりしていない親と思われるのがイヤだという方もいます。
それも人間だから仕方ない部分もありますが、お子さんの将来を考えたらそこは、お子さん優先でいきたいところですね。
もし、親御さんがお子さんに伝えたいことがあるなら、その場合はできるだけ私表現で伝えてください。
要は主語を I (私は)にするということです。
例えば、
“早く寝なさい!”は
“(お母さんは)早く寝ないと朝起きれなくて学校に遅刻するのではないかと心配なの”
このように私表現にして“心配なの”といった自分の気持ちを伝えることが重要です。
実際は心配だから“早く寝なさい”という言い方になっているのですから、その心配という自分の気持ちを伝えるだけでいいのです。
このように“私表現で自分の気持ちを伝えれば”お子さんは、“うるさいなー”とは思いません。
むしろ自分のことを心配してくれていると感じ、自ら行動するようになります。
ただし、この言い方には、即効性はありません。
よって、日ごろから話を聴いて信頼関係を作ることが先決です。
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